2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

歳を重ねるということ

「もう誕生日迎えるの、嬉しくないんだよね」 先日、友人の誕生日を祝った時に、ふと友人がそんな言葉をこぼした。私はなんで?と素直に尋ねてみたが、友人は呆れたように「普通みんなそうだよ。歳重ねるの嫌だよ」と言っていた。普通、ふつうかあ、と心の中…

硬筆の思い出

私は字を書くのが苦手だ。 しかし、字を書くこと自体は好きだった。 何をもって苦手としていたかと言うと、とにかく周りの友人に比べて字が下手だったのだ。 幼い頃、交換ノートやプロフィール帳が流行ったときも、書くこと自体は楽しかったが、ずらりと並べ…

眠気の心地よさと支離滅裂の愉快さ

眠気が強い時の考えというのは、どうにもとんちんかんでくだらないものだ。 視界には薄い曇りガラスが一枚隔てられて、思考には大小異なったモヤみたいなものがまとわりついて考えを鈍らせる。そのとき、私はなんだか私を他人として見ているようで、私の意識…

なぜ猫と暮らしている人間は、愛猫をぴーちゃんと呼ぶのか

私の友達のPちゃんは、一緒に暮らしている猫のことをぴーちゃんと呼ぶ。 開幕からややこしい話をしてすまない。 人間の方がアルファベットのPちゃん、猫の方がひらがなのぴーちゃんである。 猫の本当の名前は全く違う名前である。ぴーのぴの字も見当たらない…

月イチ麻雀倶楽部ができるまで

※この記事は2月ごろのものです 「犬鳴村って映画、知ってる?」 昨年12月の中旬、冷たい風がアウターの隙間に吹き込んで、寒さに身体を縮こませながらPちゃんは言った。Pちゃんとはもう6年ほどの付き合いになる。私が恐がりでありながらホラーの類が好き…

電車でのくだらない思いつき

用事があって電車に乗った際、いつもなら目的地までスマホをいじって暇をつぶすのだが、その日は随分と天気が良かったので顔を上げて窓の外の景色を眺めていた。そこでふと、自分以外の乗客をぼんやりと見た。みんな眠りこけたり、スマホを弄ったり、本を読…

夜と空腹についての所感

夜も深い時間帯に、お腹が空いて起きてしまった。 腹がぺしゃんこの空き缶のように凹んでしまって、背中の皮とくっついてしまうんじゃないかと想像してしまって、気分を悪くする。 思わず腹を抑えてみれば、途端に苦しそうにぐうと鳴く。もしかして私は、腹…

ケ・セラ・セラ

私はあまりジブリ作品を見ていないのだが、唯一、「ホーホケキョ となりの山田くん」(以下、「となりの山田くん」)という映画だけは小さい頃に何度も何度もレンタルショップで借りていつまでも飽きずにテレビに貼り付いて見続けた。それから少し経って原作(4…

はらこ飯の思い出

はらこ飯、という料理を知っているだろうか。 宮城県の有名な郷土料理で、醤油やみりんと一緒に鮭の身を煮て、その煮汁で炊き込んだご飯の上に鮭といくらを乗せた炊き込みご飯の一種だ。 原稿の作業用BGMとして映画「ホーホケキョ となりの山田くん」を流し…

価値観の話

私は「あさりちゃん」という漫画が、自分の中で一番だと自信を持って言えるほど好きな作品だ。 この漫画は、タイトルの通り浜野あさりという小学4年生の女の子が主役の物語である。基本的にはギャグ調の漫画ではあるものの、その展開はシリアス、ホラー、SF…